作業療法士について

作業療法とは

作業療法士

(一社)日本作業療法士協会による定義では身体または精神に障害のあるもの、またはそれが予測されるものに対し、その主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持および開発を促す作業活動を用いて、治療、指導および援助を行うこととなっています。

リハビリテーションと
作業療法

リハビリテーションの専門分野は、医学的、職業的、社会的、あるいは教育的分野に分けられることがあります。
作業療法では、個人のリハビリテーション実施過程において、
医学的、職業的、社会的、教育的リハビリテーションをおのおのの分野で、治療・援助を提供していきます。

医学的リハビリテーション

心身に障害のある人々の障害の程度を最小限にくいとめるとともに、その残された心身の能力を最大限に伸ばし、必要な場合は代償機能を活用する一連の医療的サービスです。

職業的リハビリテーション

職業指導、訓練など障害者がふさわしい就労を獲得し、またはそれに復帰することができるようにする一連の職業的サービスです。

社会的リハビリテーション

リハビリテーション実施過程の妨げとなる経済的・社会的困難を減少させ、障害者を家庭や地域社会や職業に適応できるように援助し、社会に統合あるいは再統合することを目指す一連の社会的サービスです。

教育的リハビリテーション

主に発達障害児を対象とし、医学と教育の両面から同時に支えることです。

作業療法はどんな仕事?

作業療法では、子供からお年寄りまで、生活に障害を持つすべての人に関わります。
医療をはじめ、保健、福祉、教育・職業領域と幅広い分野で展開されています。

身体障害の作業療法

身体障害の作業療法

病気や事故のために、身体に障害を負った方々に対して、今後生活をしていくために支障となる問題に作業活動を用いて治療を行います。
また、残された能力を利用して、身辺動作(食事、更衣、排泄)や、生活関連動作(家事、交通機関の利用、屋外活動)、仕事への復帰を目指した訓練を行い、生き生きと生活できることを目標に行います。
さらに、家屋改造の助言、介護者の指導を行うこともあります。

発達障害の作業療法

発達障害の作業療法

発達時期(0歳~18歳前後)に障害を受けた子供たちに対し、遊びを中心としたさまざまな活動を用いて子供の発達課題(運動、日常生活活動、コミュニケーション、社会生活など)を促し、日常生活における遂行能力の向上を目標に治療や援助を行います。
また、対象児だけでなく、両親や家庭および地域に対しての働きかけや、関連職種・関連機関との連携なども行います。

精神障害の作業療法

精神障害の作業療法

精神疾患により社会生活に障害をもった方々に対して、より適応した質の高い生活を送ることができるように、作業活動を用いて治療を行い、精神機能の向上、対人交流・作業能力の改善をはかり、より良い生活ができるよう援助します。

老年期の作業療法

老年期の作業療法

脳卒中や認知症などによって活動性の低下・心身の機能低下を起こした方に、主体的な生活が送れるように援助や指導を行います。
また、社会との交流を閉ざし社会または家族の一員としての生活存在を危うくしていく悪循環をくいとめることを目的に、作業活動を用いて心身機能の維持・回復をはかります。